柿崎 裕二
最新記事 by 柿崎 裕二 (全て見る)
- 一人社長や個人事業主(フリーランス)のホームページ集客方法とweb戦略術 - 2022年9月22日
- 【起業経験者が語る】一人社長・個人事業主(フリーランス)がビジネスで身につけておきたい4大スキル - 2022年9月22日
- 【コンサルが解説】ホームページを開設してアクセス数が集まらない場合の対処法 - 2022年9月22日
自社のECサイトに注力をしているクライアントのwebサイトは、1日のサイトからの売上が10万円~15万円前後、月商で400万円前後と売上に苦戦しておりました。
そこで、検索キーワードからの流入を増やすSEO対策を実施して狙っているキーワードで上位表示をしたいというご相談を受け、コンサルティングを開始。
結果的に1日の売上が10万円前後から3倍の35万円に、月商ベースで1000万円となりました。
この売上アップに要した期間はたった1か月です。(実質は施策のアイデアを行って実行したのは1日)
また、この成功事例で注目すべきポイントは自社ECサイトのアクセス数が変わることなく、SEOやネット広告などを利用せずに売上が上がったことです。
実はこのためにやった施策はかなりシンプルで、大きくわけて2つしかありません。
なぜ、SEOやリスティング広告をせずにたった1日で売上が3倍になったのか?
今回は実際に私がコンサルティングの現場でおきたクライアント企業の成功事例をもとにコラムでシェアしていきます。
目次
自社ECサイトとは
自社ECサイトとは、他社のモールサイトである楽天やYahoo!ショッピング、Amazonなどの媒体を利用せずに、自社の独自ドメインを取得してECサイトを運営することをいいます。
他社のモールサイトを利用すると、既に集客力や影響力があるのでモール内で商品を出店して販売すれば「売れやすい」のがメリットですが、手数料や月額利用料金が発生したりと様々な制約やコストが発生します。
その為、現在は他社のモールサイトに商品を出店して販売しつつも、利益率を上げるために自社のECサイトに注力をする企業やサイト運営者が増えてきている印象を受けます。
他社モールサイトのメリット、デメリット
メリット
・既に媒体が強く、集客力があるので商品を出品すれば売れやすい。
・自社でサイトの初期費用や集客コストをかけずにコストを抑えてはじめられる
・モールサイト独自の顧客の囲い込みシステムや、ポイント制度、イベントなどがある
・知名度が高い商品の商材によっては、モール内の検索で上位表示や注目がされやすく、大きな売上を期待できる
デメリット
・商品がモール内で売れても、顧客リストなどの情報を手に入れることができないため、モールのシステムに依存する
・モール内で同じ商品を販売しているライバルサイトとの熾烈な競争により売上が低迷する恐れがある
・定期的にセールやイベントを行わないと売上を継続的に作ることが難しい
・商品が売れても、モールサイトに販売手数料や月額利用料を支払うため、利益が残りにくい
自社ECサイトのメリット、デメリット
メリット
・自社ECサイトから商品を購入してくれるので、手数料がかからなく粗利が残り利益率が高い
・商品が売れた際に顧客リストを獲得できるため、メルマガなどの継続的なリピート販売などの施策をしやすい
・直接、ユーザーや顧客とコミュニケーションが取れるため、信頼構築がしやすい
・自社ECサイト内で集客力や影響力がついてこれば、サーバー費用のみのコストで大きな売上を継続的に発生させることができる
デメリット
・自社ECサイトから商品を販売するまでにはSEO対策やwebマーケティングノウハウが必要であり、成果がでるまでには時間と労力がかかる
・本気で自社ECサイトに取り組まないと、なかなか利益を上げることが難しく、途中で諦めやすい
・自社ECサイトの差別化ができていないと、既に集客力のあるモールサイトがライバルになったり、影響力のある他社のECサイトに勝つことが難しい
モールサイトと自社ECサイトではそれぞれ上記のようなメリットとデメリットがあることが事実です。
その為、上手くモールサイトと自社ECサイトの特性を理解しながら併用して商品を販売して利益を作りつつ、中長期的には自社ECサイトからの売上がメインになるように施策をたてていくことにシフトしている企業が多いといえます。
自社ECサイトの売上が1日で3倍アップした2つの施策
さて、本題ですが今回ご紹介するECサイトはお茶や紅茶などを販売している企業です。(具体的な商品名などのご紹介は守秘義務のため割愛しています)
この会社の担当者の方から直接ご相談を受けた際は、SEO対策で自社の売上を短期間で上げるということでした。
しかし、私が提案した施策というのはSEO対策などでのアクセスアップではなく、すぐに売上を上げる施策と現状で問題となっているボトルネックの提案でした。
案の定その施策の提案が通り、施策を実行したところECサイトの売上が1日で3倍アップになりました。
具体的に行った施策は以下の通りです。
SEOに関する記事一覧
施策1.無駄に行っていたセールを辞めて商品の販売価格を適正価格に戻した
まず、全体的なECサイトをみるなかで、売れ筋商品や継続的に顧客から指示されている商品が意味もなく、常に定価から15%割引になっていることが気になりました。
ちなみにこの企業は実店舗もありますが、15%割引に常になっているのはECサイトのみです。
しかも、複数の売れ筋商品などがECサイト内ではセールスなっていた為、この割引価格を見直し15%から5%引きにしたり割引価格を改善あるいは、辞める施策を実行しました。
結果はどうなったかと言うと、割引前と割引を辞めた成約率はさほど変わらないことがわかり、売上が上がるともに利益率改善に繋がりました。
施策2.メルマガの配信時間を変更し、読者の反応率が高い時間帯に配信
もうひとつ、行った施策がメルマガの配信時間の見直しです。
今までは、全く配信時間などを意識せずにメルマガを配信していた為、読者からの反応率によるばらつきが大きく、上手く活用できていないということがわかり、まずはこれまでの配信時間の統計を洗い出し、メルマガの開封率が高い時間に配信するように改善。
その後、メルマガ内限定のタイムセールスなどを企画し、販売したところ予想を上回るペースで商品が売れるという結果に繋がり、数量限定のお茶ギフト商品が完売するにまで至りました。
この2つの施策により、結果的に1日の売上は右肩上がりに上昇し、その後も施策1で実行した商品の割引額を見直したことで売上が増えているため、改善前の1日10万前後の売上から30万円前後の売上へと推移しております。
今回の成功事例の振り返りと施策を行ったうえでのポイント
繰り返しお伝えしますが、今回の成功事例の要因は現状のECサイト内の売上を妨げているボトルネック洗い出し、改善したことです。
これだけに注力をして、売上を作るというコミットができらかこその成功事例です。
逆に現状分析を行わないままSEO対策や集客を実行してしまうと、短期間ではこのような売上を作ることはできなかったといえます。
「すぐに集客したい場合はSEO対策は向かない理由と有効な集客方法」でもお伝えしていますが、SEO対策は時間がかかるため、すぐにECサイトの売上を上げるという手法には向きません。
現在、SEO対策に注力をして売上を上げたいと考えている場合は、まずは集客手法ではなく、成約までの導線や成約率においてボトルネックがないか洗い出してみることです。
成約率が改善できれば、アクセス数は変わらなくても売上を上げることができるからです。
今回は実際に有料で提供しているコンサルティングの一部の手法をシェアさせて頂きましたが、他の業種でも成果のでる確率が高い方法なので、無料で公開させて頂きました。
現在、自社ECサイトに注力をしていている方は参考にしていただければ幸いです。